iZotope / Ozone 8 Advanced
本日はマスタリング用ソフトOzone 8について使った感触をレビュー
していきたいと思います。
iZotope社が開発しているマスタリング用プラグイン Ozoneは
Ozone4の頃から使っていて、今リリース情報を調べてみると
10年前くらい前からある歴史あるプラグインということで....
大変お世話になっております。
とはいえ最近はOzone7にアップグレードしたものの
IK multimedia社Lurssen Mastering Consoleの方が
使いやすく、Ozoneの出番がありませんでした。
今回導入に至った経緯としてネット上の口コミで
Ozone8の新機能Master Assistantが良いとあり
気になっていたのでDEMOを試してみることにしました。
非常に軽い動機で「買うことは無いだろう」と思ってました。
完成しているプロジェクトのマスターに
Ozone8のMaster Assistantを掛けてみると
「ああ良い」
↓
DEMOの試用期間が終了する
↓
「これは無いとダメだ」
↓
「買おう」
という流れになってしました。
その購入のきっかけとなってしまった
Master Assistantについてですがざっくり言うと
AIがオーディオデータを自動解析してくれて
EQや音量感について提案してくれるというもの機能です。
このようにオーディオを読み込み自動解析してくれ
EQは低域が足りないから60hz足して、高域も上げて
という感じに自動でEQしてくれて聞かせてくれる。
※EQの必要ない時は提案されないので、まっすぐなEQカーブになった時は嬉しい。
その後にはDynamic EQで不要な音をカットしてくれる
※これがマジで助かる。
最後にマキシマイザーで音量感を提案してくれる
簡単に言うとこのような流れなのですが
まず最初のEQがありがたすぎて....
昔NYに行った時STERING SOUNDのChris Gehringerさんに
マスタリングしてもらい、EQカーブを見せてもらったのですが
低域をグイッとシェルビングで上げるんです....
自分的には充分だと思っていたローの部分を6dbくらい。
自分の環境や感覚では良いと思っていた周波数バランスを
一度冷静にジャッジしてもらうということは一人ではできないことで
マスタリングエンジニアの方にFeeを払って修正できることなのですが
Ozoneなら自動で解析してくれて客観的な提案をしてくれる!!
ありがてええええ。
でOzoneのEQが極端だなとか不自然だなと思った戻したり
弱めたりして使うことができるのであくまで提案してくれる
マスタリングエンジニアみたいな、ありがたさ。
そして次はDynamic EQ。これも本当に助かります。
自分は作曲・編曲しながらMIXを進めていくので
曲ができた最終段階になった際にはMIXも完成していることが
ほとんどです。
一度、完成したミックスやバランスを再度修正するのって
1日空けて冷静にならないと難しくて
高く積み上げたブロックを壊すのって勇気がいるし
多少いびつでも興奮しながら作り上げた熱量も価値があると思っていて。
そのあまり崩したくない周波数バランスの不要な部分を
冷静にちょっとだけ削ってくれる素晴らしい機能が
Master AssistantのDynamic EQ。
Dynamic EQなのでスレッショルドにひっかかった部分だけ
カットしてくれて掛かりっぱなしではないので
あくまで自然なカットEQ。
自分では問題無いと思っていたボーカルの歯擦音をカットしてくれたり
不要な中低域が溜まりやすい200hzや600hzをカットしてくれる
ミックスエンジニア的な仕事を担ってくれて勉強になります。
そもそも部屋の鳴りや、モニター環境で聞こえていない
周波数について再度意識させてくれたり
提案してくれるのはマスタリングプラグインを超えた
価値を提供してくれているように自分は感じます。
初めはOzone8のDEMOで解析してそのEQカーブを
Ozone7で再現する。ということをやってみて
なんとかOzone8を買わないようにしてみたのですが
微妙に仕上がりが違って聞こえてました。
Ozone7とOzone8のEQのUIは同じように見えるのですが
音が違うのかな?いや気のせいでしょ!
音が違うのかな?いや気のせいでしょ!
音が違うのかな?いや気のせいでしょ!
というのを考えるが面倒臭くなり結果購入しておりました。
いちおう何でも買っているわけでは無い!笑
というアピール。
そして最終段にはマキシマイザー。
これも地味にありがたく最近の配信事情は複雑化していているため
・apple music
の納品形態が違い、それぞれ規定の音量で提出しないと
音量が下げられたりデータをノーマライズされてしまうということがあり
非常に面倒臭い&音を変えられたく無いという状況でした。
どんなプラットフォームでも良い音、原盤と同じ音で聞いて欲しいので
4種類以上音を作るですが、Ozone8ならstreamingに合わせた
-14.0 LUFSに自動で合わせて音量調整してくれます。
そこからyoutube用、spotify用とサイジングしていけるので
とっても楽です。
音声ファイルを5個作る時点で工数がかかるので
エラーなく、ポジティブに取り組むためには
楽・作業が簡易・速いというのは重要な要素だと思います。
というわけでMaster Assistantの機能にしか触れていない
レビューですが個人的はそれで充分な気がしております。
透明なリミッティング、アナログなコンプ感など音に特化した
マスタリングソフトは他にたくさんあり各々使い分けされていると思うので
音質について書くのでは無く自動解析ユーティリティーとして
Ozone 8をおすすめさせていただきました。